【うそのような本当の話】落語と教育の共通点

この前、三代目　林家菊丸さんの落語を聞きに行ったんだけど、落語の世界のことが教育にもつながるところがあるってわかったんだ。

全然違う世界じゃん。共通するところなんてあるの？

目の前の人を大事にする。目の前の人との距離を縮める。コミュニケーションという点で共通しているんだ。

落語の世界では重要な３つの気があるんだ。

気を読むっていうのは、場の空気を読んだり、お客さんの様子を把握したりすることなんだよ。

どういうことなの？

舞台に立って、お客さんが年配の方が多いのか、若い人や子ども連れの人がいるのかなどお客さんの様子を見て、落語をはじめて見に来ているか、落語を熟知されているかなど、を読むんだって。

へぇ、それはすごいね。

お客さんの様子、気を読んで、落語をはじめて見に来ている人が多いなと感じたら、わかりやすい落語をするんだよ。

そして、落語を熟知されている人が多いなと感じたら、わかりやすい落語よりも大作のような落語をするんだよ。

つまり、それってその場その場で落語で何をするかを決めているってこと？

そうなんだよ。今日来ているお客さんの様子、気を読んで、今日のお客さんにあう落語をする。すごいことだよね。

落語って、奥が深いね。

これは、機転を利かせるということなんだ。

落語って、一人がただただ話をしてチャンチャン、ぎゃはははじゃないの。

違うよ。ってか、それ失礼だよ。

あっ、これは、失礼つかまり、つかまりざえもんでごぜぇました。

例えば、落語の落ちまであと少しというところで、お客さんの携帯が鳴ってしまったらどうする？

激おこぷんぷん丸だぜ。おい、そこの客、てめぇだよ。何携帯鳴らしてんだよ。とっとと出ろ。だぜ。

せっかくここまでつくりあげた落語の世界観を壊されて、怒りたい気持ちになるよね。でも、それは違うんだって。

えっ、ってことは怒らないってこと？それ、無理ｹﾞｰ。

本当の気もちは怒りたいけど、でもそれをやってしまったら、「お客に出ろ」なんて報道され、炎上してしまうかもしれないよね。

たしかに。怒ったことで、自分が損をしているみたいになっちゃうね。

そう。だから、林家菊丸さんは、落語の世界観を維持したまま、「おい、そこの者、携帯出たまえ。」と武士の口調のまま、そのお客さんに向けて言ったんだ。

すげぇ、機転の利かせ方だね。

ちなみに、それを言われたお客さんは何て言ったと思う？

すいませんじゃないの？

かたじけねぇ。

これは、何百回とやっていても、やる気をもって、初めてやるつもりで落語をするってことなんだ。

いやいや何百回もやっているんだから、はじめてのおつかいみたいにやることは難しいでしょ。

そうだよね。でも、落語をはじめてきた人にとっては、今日が初めてなんだよね。

まあ、たしかにね。

やっぱり、何百回とやっているからといって気をいれないと、お客さんにもあまり受けないみたいなんだ。

こなしているってみたいで、なんか熱量を感じないね。

毎回毎回、気をいれることで、お客さんに喜んでもらえる。惰性でやってはいけないことだね。

ところで、落語と教育の共通点っていったい何なの？

それは、コミュニケーション。

たしかに。落語はすげぇお客さんのことを第一に考え、いかにお客さんを笑わせるか、常にお客さんとコミュニケーションをとっているわ。

そうなんだよ。教育でも、いかに子どもとコミュニケーションを取りながら授業をしていくかってすごく大事なんだよね。

うわ、すげぇつながってる。深いい話やな。

今日のまとめをしていくよ。

どんなところにもつながるところはあるんだね。これからも学び続けていきましょう。