道徳科の学習をするときに何か意識することってあるの?
「第3章特別の教科 道徳」第1目標
第1章総則の第1の2の⑵に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるた
めの基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を
見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学
習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。
あの、これは古代ローマの言葉ですか。テルマエ・ロマエ的な。
いやいや違うよ。これだけでは難しいと思うから、4つのポイントに分けて説明していくね。
・道徳的諸価値について理解する
・自己を見つめる
・物事を多面的・多角的に考える
・自己の生き方についての考えを深める
よろしく頼みます。まずは、ジャイアンですか。
ジャイアン好きだね。最初は、道徳的価値について理解することについて説明するね。
道徳的諸価値について理解する
道徳的価値とは、よりよく生きるために必要とされるものだよ。人間としての在り方や生き方の礎となるもののことだね。
これは、呪文ですか。ちちんぷいぷいのぷい的な。
エクスペクトパトローナム。
うわぁ、やられた。とうとう先生も呪文を使われるようになったんですね。
いけない、いけない、平常心。道徳的価値の意義とその大切さの理解が必要になってくるんだ。
・内容項目を人間としてよりよく生きる上で大切なことであると理解する
・人間の弱さなどを理解する
・道徳的価値の考えは多様であるということを前提として理解する
・道徳的価値が人間らしさを表すものであることに気付く
・価値理解と同時に人間理解や他者理解を深める
・内容項目を人間としてよりよく生きる上で大切なことであると理解する
内容項目って、いったい何者ですか。
内容項目は4つの観点のもと、こんなにも多くあるんだ。
すごい多いね。
内容項目については、また説明していくから安心してね。
ああ、よかった。今日やっていたら、どら焼きが食べられないところでした。
もしかして、君はドラえもん?今度は、人間の弱さなどを理解することについて説明するね。
人間の弱さなどを理解する
人間は、大切だとわかっていてもなかなか実現することができない弱さがあるんだ。
やめたくても止まらないかっぱえびせんみたいな感じですね。
いいたとえだね。
あ、ありがとうございます。
公園を歩いているときに、誰かの財布が落ちた時に「落としましたよ」と声をかけるのがいいのはわかっているけど、それができなかったときとかも人間の弱さだよね。
道徳的価値についての考え方もたくさんありそうですね。
そうなんだよね。次は、 道徳的価値の考えは多様であるということを前提として理解するについて説明するね。
道徳的価値の考えは多様であるということを前提として理解する
財布を落としたところを見て、拾えたり拾えなかったりしたときの感じ方は全員一緒ではないよね。
たしかにそうですね。全員一緒だったら、全員同じ行動、同じ人間になっちゃいますね。
できた、できなかったときの感じ方や考え方にもたくさんあって、ひとつではないんだよね。
そうか、だから多様であることを前提として理解していくことが必要なんですね。
その通り。だから、道徳的価値は人間らしさを表すものなんだよね。
道徳的価値が人間らしさを表すものであることに気付く
道徳的価値は人間らしさを表すものであることに気付くために学習って必要なんだよね。
できることばかりじゃなくて、できないこともあるっていうことですね。
そう。だから、絶対的なものとして教えてしまうということは注意しないといけないね。
ジャイアンは絶対に無理やり人を読んでリサイタルをするのはいけないと決めつけるのはよくないんでね。きっと、ジャイアンにはジャイアンなりの弱さもあるでしょうし。
理解するってことは必要かもね。理解するってことには3つの理解があるんだ。
価値理解と同時に人間理解や他者理解を深める
価値理解と人間理解と他者理解だよ。
同じっぽいけど、どう違うの?
・価値理解:やっぱり大切なことだなぁと理解
・人間理解:なかなかできないなぁ、人間的な弱さもわかるなぁと理解
・他者理解:感じ方や考え方は一つじゃないなぁ、多様だなぁと理解
あれ、これっていままで説明していたものと同じ?
そうだね。こういう3種類の理解があることを知っているだけでも、道徳の授業の捉え方、考え方は変わってくるよ。
では、今度は自己を見つめるということについて説明するね。
自己を見つめる
さっき話した価値理解、人間理解、他者理解を自分とのかかわりの中でとらえることが重要なんだ。
どうせ、自分には関係ないし、ではいけないんだ。
そうなんだ。やっぱり、自分事として感じたり考えたりすることで、さらに考えを深めることができるんだ。
ぼくも、ジャイアンばかり言っていたけど、もしかしたらぼくもジャイアンなのかもしれないと、自分事として考えていくことが大切なんだ。
ごめんよ、ジャイアン。ぼくは、もうジャイアンだ。
うんと、あなたはジャイアンではないかな。ただ、そうやって自分がしてきたことはどうかな、自分だったらどうするかなと考えることは大事だね。
人の振り見て我が振りなおせってことですね。
そうだね。道徳的理解と同時に自分についての理解を深めることにもなるんだ。
昔の人の言っていたことが今にもつながっている。アンビリバボー
だから、自己を見つめることで、自分を振り返り、成長を実感したり、これからの課題や目標を見つけたりすることができるようになるんだ。
物事を多面的・多角的に考える
感じ方や考え方は、千差万別、いろいろあるんだね。
そういった考え方に接するというのは大切なことだよね。
たしかに、知るとじゃあこういう場合にはどうなんだろうと考えちゃいますね。
多様な価値観を前提にして、いろんな人と話したり関わったりして、いろんな方向やいろんな角度から考えられるようになることが必要だね。
さらに、自分の考えが深まりそうですね。
自分の考えが深まると、判断や表現する力も育っていくんだよね。
自己の生き方についての考えを深める
こうやって多様な考え、感じ方に触れると自分の特徴を知ることができるんだ。
自分の特徴?
そう。人の意見を聞く中で、誠実に行動していきたいな、人に優しくしたい、家族を大切にしたいなど、伸ばしたい自己を深く見つめられるようになってくるんだ。
なるほど。「こうありたい。」「こうなりたい。」という思いが芽生えてくるんだね。
これからどう生きていきたいか、じゃあどう実現していこうかと自己の生き方についての思いや願いを深めることができるようにしていきたいというのが道徳科における学習なんだよ。
そこまで考えられているとは知らなかったな。
知ることで、自分の世界って広がるよね。
よし、それなら今からジャイアンに会って、自己の生き方について深めてきます。
えっっと、あっ、行っちゃった。行動が早いなぁ。
まとめ
道徳科の学習での4つのポイントをまとめていくね。
・道徳的諸価値について理解する
・自己を見つめる
・物事を多面的・多角的に考える
・自己の生き方についての考えを深める
日々の仕事は大変だけど、自分の体を大切にしてね。